プログラミングの義務教育必修化

MacBook Proとマウス

義務教育における、プログラミングの必修化について、思うことを書きました。


プログラミングとは?

プログラミングが、2020年から、義務教育の必修科目になるそうです。

プログラミングは、プログラムを書く作業です。 プログラムは、「コンピュータに対する命令文の集合体」です。

ボタンを押すだけで、機械が色々と動くのは、プログラムが埋め込まれているからです。 プログラミングは、機械を自動的に動かすために、欠かせない作業なんですね。

ちなみに、プログラミングを仕事にする人を、プログラマーと呼びます。 僕も、サラリーマン時代の大半は、プログラマーとして働いていました。

プログラミングを義務教育で必修科目にする理由

プログラミングを義務教育で必修化するのは、かなり強引な話です。 プログラミングは、専門分野の1つだからです。 建物を作る仕事(大工さんの技術)を教えるのと、本質的に同じなんですね。

それでも必修化するのは、人材が大幅に不足するからです。 おそらく、産業界(大企業)からの、強い要望があったのでしょう。 今の日本の学校は、サラリーマンとして役立つ人材を育成する機関なので、要望があれば、応じるのは当然です。

ただ、人材不足だけが、理由ではない気がします。 プログラムは、数字と同様、万国共通の世界だからです。 日本人が書いたものであれ、他の国の人が書いたものであれ、プログラムの内容が同じなら、機械は同じように動作するんですね。

大企業の役職者から言われた一言

サラリーマン時代、派遣先の会社の課長から、次のように言われたことがありました。
「広瀬君、君の単金は中国人の3倍だから、中国人の3倍以上、プログラムを作ってよ」

単金とは、派遣先の会社から、僕の所属する会社に支払われるお金(1ヶ月分)です。 中国人の技術者は、日本人の技術者より、人件費が安く済むのでしょう。 支払うお金が3分の1なので、こちらに多大な働きを求めてきたわけです。

料理人で例えるなら、
「中国人が100人分の食事を作るから、あなたは300人分作ってよ」
ということです。

ただ、そこに、「料理の美味しさ」「お客さんに気持ち良く提供する接客」などは、含まれていません。 評価の基準が、提供した人数のみでは、心を込めて提供している料理人には、たまらないでしょう。 僕も、質の高いプログラム作りにこだわっているので、「プログラムの行数だけで評価されるのは納得がいかない」と感じました。

現場で見聞きした劣悪なプログラム

ある時、職場で年上の技術者が、怒り心頭といった感じで、文句を言っていました。 中国にいる技術者たちが作った、プログラムに対してです。
「広瀬、見てみろよ、これ。 こんなプログラム、学生でも作らないぞ!」
と言われたので見ると、確かに劣悪なものでした。

前述の大企業は、中国に支社があって、そこに在籍している技術者(おそらく中国人)に、プログラムを作らせていました。 そのプログラムを、職場の年上の技術者が、メンテナンスすることになったんですね。 その矢先の出来事でした。

同じ事例は、他にもあります。 職場に派遣された中国人のプログラムを、こちらが確認する作業をしたところ、明らかな誤りがあったので、上司に報告しました。 後日、聞いた話によると、それを作った中国人技術者は、プログラムを手直ししたにもかかわらず、動作確認をしていなかったそうです。 技術レベル以前に、プロとしての意識が欠けていたんですね。

プログラマーは、日本人の技術者じゃないとダメだった!

プログラムは、一度作っておしまいでは、ありません。 作ったものに手を加える作業(アップデート)や、動作の不具合を直す作業(バグ修正)が、待っているからです。

IT業界は派遣がメインなので、人の入れ替わりが激しいです。 このため、他人の作ったプログラムを変更する方が、圧倒的に多くなります。

想像してみてください。 他人が書いた、膨大な文章(400字詰め原稿用紙100枚分とか)に対して、誤字脱字を探して直したり、脚本を再編集したりする作業を。 どれほど負担になるか、何となく分かるのでは、ないでしょうか。

プログラムの質が悪いと、変更するのに多大な時間(人件費)がかかります。 人件費の安い外国人技術者が、もし低レベルだった場合、プログラムの質も、当然悪くなります。

「初めは外国人に安く作らせて、メンテナンスは日本人にやらせればいい。 その方が、儲かる」

現場を知らない上層部が、このように考えて実行した結果、初めは安く済んだものの、長い目で見れば高くついた。 そんな事例が、あちこちで発生したかもしれません。

実際、とある映画で、外国人の技術者に不正なプログラムを埋め込まれてしまい、大きな損害が出たエピソードがありました。 コンピュータウイルスでは、ありません。 システムの中に、直接書き込まれたのです。

プログラミングを義務教育で必修科目にした本当の理由

おそらく、人件費が安いからといって、他の国の人にプログラムを作らせたものの、後で痛いしっぺ返しが、あちこちで発生したのでしょう。 それに、プログラムはデジタルデータですから、コピーも簡単で、技術を盗むのも容易です。 高性能なシステムが、簡単に複製されてしまう恐れが、あるんですね。

銀行などの金融機関のシステムも、プログラムで作られています。 パチスロ機もそうですし、戦闘機にだって、プログラムが組み込まれています。 もし、そこに直接、不正な命令を書き込まれたら? 一体、何が起きるか、分かりませんよね。

プログラマーは、日本人の技術者じゃないとダメだということに、多くの企業が気づいたのでは、ないでしょうか。 だから、プログラミングが、義務教育に組み込まれることに、なった気がします。

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